電気が一般家庭で使われるようになった当初、主な利用目的は家の中の照明であった。当時の電力会社はここに注目し、照明目的の電気利用については、それ以外の目的利用よりも細かい料金設定をおいた。しかし、このように料金設定が区別されたことで、人々はランプホルダープラグを使って電灯ソケットにあらゆる種類の家電をつなぐようになった。

時がたつにつれ、家庭における電気利用はより一般化し、安全な電気接続方法が必要となってきた。1890年代後半から1900年代前半にかけて、世界中の発明家たちが異なるコネクタのデザインを生み出した。しかし、どのコネクタも同じ目的で作られたものの、デザインの違いによって作動機能も微妙に異なっていた。例えば、初めて米国でデザインされたプラグは、プラグを固定するための留め金のようなものがピンについていて、プラグが誤って抜かれるのを防止する形になっていた。

そして、新しい電気システムの開発に積極的に取り組んでいた様々な国からのエンジニアと科学者が、規格制度の必要性に気づいたのもこの時期である。1906年に、国際電気標準会議(IEC)が形成され、エンジニアや科学者たちが知識と研究内容を共有し、以後の電気システム開発推進に貢献した。

更に年月が過ぎ、より多くの初期モデル電源コネクタが多く作られた。既存のランプホルダープラグや他の普遍的なコンセントにも使えるアダプターが数多く作られた。1900~1910年頃には、現在も広く使われている形状である90度回転させたピンなど、多くの変更がなされた。

しかし、1911年以降、当時出回っていたコネクタを変更する必要性が出てきた。初の「アース」プラグを誰が作成または設計したのか正確には分からないが、1911年から1928年の間に出てきたものであることは分かっている。アースプラグは接地プラグとも呼ばれ、米国では「三極」プラグとして知られている。このアースプラグには他の2本よりも長い3本目のピンがあり、接続部が能動化する前に確実に接地する仕組みになっている。これによって、余分な電気が地面に逃げるようになり、人体感電を防止する。この規格コネクタにおける変化によって、より一貫して安全な電気システムが求められるようになり、そのためにアースコネクタが今日に至るまで標準となっているのである。

電気利用が始まった最初の数十年間、とりわけ商用使用が増加するにつれ、規格にもめまぐるしい変化と発展がみられるようになった。商業利用という要素に加え、経済的要素も、規格の変化と構築に影響を与えた。これは、各国が製造業に乗り出し、世界中の国々との貿易を始めるようになった頃の話である。輸出入が簡単な製品への要求や需要が高まるにつれ、広く浸透していない規格は消えていき、結果的には使われることがなくなった。

第二次世界大戦後の数年間は、様々な国家規格が作成・運用されたが、どれも国際的な規格ではなかった。世界中各国で異なる規格が存在した理由として、特定スタイルのコネクタの適用、また自国システムと他国システムとの互換性が、各国に求められていなかったことが考えられる。

より汎用的なシステムの必要性が問われるようになったのは1970年代初期で、その取り組みは1990年代後半まで続いた。欧州諸国ならどこでも使用できる電源コネクタシステムの開発に成功したヨーロッパなどの例もあるが、国際社会全体で一貫性を持たせるという大きな動きはまだなかった。また、国際規格を作ろうという試みもあったが、それを実際に運用する国は非常に少なかった。

電気利用ほど、歴史の方向性を形付け変化させてきた発明や発見はない。この何十年もの間に、スタイルや機能は変化や適合を続けてきたものの、電源コネクタは依然として電気システムにおいて重要な役割を持つ。電源コネクタの歩んできた道を知ることで、経済や社会が科学開発にもたらす影響の大きさがよりはっきりと分かるようになるだろう。